2019年6月24日、nasne出荷終了がニュースとなりました。後継機開発の予定もないとのことです。nasneは根強い人気を持ちネットワーク対応レコーダーを普及させた機種のひとつですが、今後のサポート等を考えると残念ながら乗り換え先やダビング方法を考えておく必要があります。今回はnasne代替機やダビング方法についてみていきたいと思います。
nasneからのBlu-rayダビングについて
本記事は、nasneの代替機や移行先へのダビングについて記載しております。
Blu-rayダビングの運用については、以下のページに詳しくまとめておりますので、こちらをご覧ください。
nasneとは
「nasne」は2012年8月にソニー(SIE)から発売された、HDDレコーダー機能搭載ネットワークストレージです。
nasneはPS3/PS4/PSVitaなどのゲーム機や、スマホ/PCとのネットワーク連携が売りの機種で、これらの機器上で視聴・予約ができたり、対応機種によってはストレージやBDへのダビングも可能。「ネットワークストレージ(NAS)」という側面も持っており手軽にNASを構築できます。また、ストレージ容量が不足した場合もHDDも増設可能と、2万円弱の価格帯のNAS・レコーダーとしては破格の多機能性を持っています。
https://www.jp.playstation.com/ps4/peripheral/cuhj15004.html
さて、今回の報道により「nasne出荷終了予定・後継機の予定なし」という情報が公となりました。残念ではありますが、公式サイトでも「近日出荷完了予定」というステータスとなっています。近年、huluやAmazon Prime Video、NetflixなどのVODサービスがユーザに浸透してきたことにより、テレビ番組の視聴方法も変わってきましたが、その波がnasneにも到達してしまったようです。
また、同社からは毎年アップデートされるBDレコーダーも販売されていますから、社内で小さくなったパイを奪い合うというのはなかなか辛いところでもあり、このような結果になったのかもしれませんね。
代替機を考える必要性
かく言う私も発売当初からのnasneユーザの一人であり、最近も2台目のnasneを購入するに至っています。2台構成時のネットワーク構成解説&増設については以下の記事をご覧ください。
今後、nasneが出荷終了となった場合、最悪のケースとして考えられるのは「nasne に接続するためのソフトウェアのサポートが切れ、nasneに録画されている番組が見られなくなってしまう」ということです。
直近ではハードもソフトもサポートされるものと考えられますが、企業の体制としても販売終了したものに何年もサポートし続けるということはないでしょうし、機器がネットワークにつながっておりセキュリティの問題もありますので、サポート切れのハード・ソフトを何年も使い続けるというのは実際難しいと思います。
機器としての延命が難しいのであれば、ユーザとしてはどうしても「他機種への乗り換え」や「ストレージ等へのダビング」が選択肢となってきます。
「他機種への乗り換え」については、DLNA対応機器に録画コンテンツをダビングすることで継続して視聴ができそうです。
「ストレージへのダビング」についても本サイトでも紹介している「PC TV Plus」を使用することでPCのストレージやBDにダビング保存することも可能です。
ストレージ等へのダビング
まず考えられるのがストレージやBDディスクへのダビングです。一般的な方法としては以下の2つが考えられます。
PC TV Plus
前述の通りPCに「PC TV Plus(VAIO TV with nasne)」をインストールすることにより、PCのBDドライブでBDへのダビングが可能です。また、PCのストレージにも録画コンテンツをダウンロードすることができます。
「PC TV Plus(VAIO TV with nasne)」については、以下のページに「BD録画の運用方法」や「PC TV Plusでできること・できないこと」についてまとめています。
RECBOX
ダビング機能でnasneからのコンテンツを残しておく場合には便利な機器です。録画機能はありませんので、NAS/メディアサーバとしてのみの使用となります。
RECBOXには、機器単体でダビングしバックアップできるという優位性があります。また、ダビングした録画コンテンツをBDレコーダーにムーブすることができるので、BDレコーダーにムーブ後にBDにダビングすることもできます。
残念ながら本製品も2018年12月に終売となっているため、今後品薄になるものと思われます。
https://www.iodata.jp/product/hdd/rokuga/hvl-dr/index.htm
代替機に求めるものは?
代替機に求めるポイントは大きくわけて「ダビングできること」「スマホ連携」「既存機器の利用」の3点あると思います。スマホ連携についてもわけた以下の5点を各候補機で見ていくことにしましょう。
- nasneの中の録画コンテンツを代替機にダビングできる
- スマホなどで録画予約
- スマホなどで視聴
- スマホなどに持ち出し(ダビング)ができる
- 既存機器(PlayStation/PC TV Plus)等で利用できる
代替機の候補
ソニー製のブルーレイレコーダー
本命はやはりソニー製のブルーレイレコーダーです。PS4やPC TV Plusとの連携について公式の動作確認が取れている点は強みだと思います。
対応状況について調べてみた結果は以下の通りです。
1. nasneの中の録画コンテンツを代替機にダビングできる | 〇(PC TV Plus経由) |
2. スマホなどで録画予約 | 〇(Video & TV SideView) |
3. スマホなどで視聴 | 〇(Video & TV SideView) |
4. スマホなどに持ち出し(ダビング)ができる | 〇(Video & TV SideView) |
5. 既存機器(PlayStation/PC TV Plus)等で利用できる | 〇 |
1のnasneからのダビングについては、ソニーのBDレコーダー単体では対応していません。手間はかかりますがPC TV Plusで一度ダウンロードした後、BDレコーダー側にダビングする必要があります。
https://av.watch.impress.co.jp/docs/news/1098345.html
2~4のスマホ等のアプリからの接続については、「Video & TV SideView」というアプリケーションでBDレコーダーの録画予約・視聴・持ち出しができます。「torne mobile」と同じように録画予約は無料で利用可能、視聴機能と持ち出し機能の利用は別途 「Video & TV SideViewプレーヤープラグイン」(有料)が必要です。
https://www.sony.jp/support/bd/manual/index-multidevice-tvs.html
5については、PlayStationの「レコ×トルネ」の機能を利用して、torneアプリを経由してBDレコーダーの録画コンテンツを視聴することができます。同様に「PC TV Plus」からも接続して視聴できます。
http://torne.scej-online.jp/ps4/data_01.html
パナソニック製のブルーレイレコーダー
パナソニック製のブルーレイレコーダーもネットワーク機能を拡充しており、nasne・torneでやっていたことと同じような機能は搭載されています。
対応状況について調べてみた結果は以下の通りです。
1. nasneの中の録画コンテンツを代替機にダビングできる | △(お引越しダビング等) |
2. スマホなどで録画予約 | 〇(Video & TV SideView) |
3. スマホなどで視聴 | 〇(Video & TV SideView) |
4. スマホなどに持ち出し(ダビング)ができる | 〇(Video & TV SideView) |
5. 既存機器(PlayStation/PC TV Plus)等で利用できる | △(機種による) |
1のダビングについては、パナソニックのBDレコーダーの「お引越しダビング機能」でレコーダー単体でのダビングが可能という情報をネット上で見つけました。ただし、公式情報ではないため購入して試してみないとわかりません。
「PC TV Plus」経由でのダビングは公式サイトにも対応状況が記載されています。細かい型番での動作確認結果はすべて記載されていませんが、DMR-BRG2030、DMR-BRZ1010など2015年発売モデル以降のモデルで動作確認がされているため、最新モデルでもPC TV Plus経由でのダビングはできる可能性は高いです。
https://bbs.kakaku.com/bbs/K0000697880/SortID=19366578/
https://www.sony.jp/playstation/store/products/nasne/pcnasne-dl/index.html
2~4のスマホ連携については、スマートフォンアプリ「どこでもディーガ」を使用することでBDレコーダーの録画予約・視聴・持ち出しができます。ソニーの「Video & TV SideView」に比べると、有償プラグインを入れなくても視聴・持ち出し機能が利用できる点は大きいですね。
また、持ち出しの際のコンテンツのビットレートも細かく設定可能(3.5Mbps(720p)1.5Mbps(720p)・650kbps(360p)・400kbps(180p)・150kbps(180p))になっている等、アプリケーションの機能としても多機能です。
https://panasonic.jp/diga/products/ubx8060_4060/m_tv.html
5については、PlayStationの「レコ×トルネ」の機能の利用は対応機種によるため確認が必要です。「PC TV Plus」については上述の通り接続できる可能性は高いです。
REC-ON
nasneと同じBDドライブを持たないタイプのレコーダーです。nasneとは異なりHDMIで接続してテレビで視聴も可能です。
対応状況について調べてみた結果は以下の通りです。
1. nasneの中の録画コンテンツを代替機にダビングできる | ×(PC TV Plus経由でも不可) |
2. スマホなどで録画予約 | 〇(REC-ON App) |
3. スマホなどで視聴 | 〇(REC-ON App) |
4. スマホなどに持ち出し(ダビング)ができる | 〇(REC-ON App) |
5. 既存機器(PlayStation/PC TV Plus)等で利用できる | △(PlayStationは要確認) |
1のダビングについては、PC TV Plus→REC-ONへのダビング機能が対応していないのでおそらく難しいと思われます。
2~4のスマホ連携については、「REC-ON App」というアプリケーションでBDレコーダーの録画予約・視聴・持ち出しができます。こちらも無償ですべての機能が利用可能ですが、Google Play/App Storeの評価がそれぞれ2.5、1.5と低評価(2019年6月現在)。評価を見る限りでは接続できないなどの致命的な不具合が多く、素人目に見てもあまりおすすめできません。
5については、PlayStationの「レコ×トルネ」の機能の利用は対応機種によるため確認が必要です。「PC TV Plus」についてはHVTR-BCTX3/EX-BCTX2というモデルの動作確認がされており、ライブ視聴、録画視聴、PC TV Plusへのダビングが可能です。
まとめ
nasneのダビング方法や代替機について調べた結果をまとめました。
個人的には、パナソニックのBDレコーダーが気になっています。スマホアプリの評価が高く、機種によってはレコーダー単体でもnasne→レコーダーへのダビングが可能という情報もありますので、乗り換えるならパナソニックかなという気持ちでいます。また、パナソニックのカメラを持っているので、カメラで撮影した動画等についても取り込みやスマホ等での視聴が可能な点もポイントが高いです。
一方で、ソニーのBDレコーダーについてはダビングにひと手間必要であることと、スマホアプリの完成度が低く感じられてしまったことから、一歩引いた感じで見てしまっています。アプリに関しては爆速かつ小回りの利いた torne mobile に比べてしまうとなおさらです。そのうえ、プラグイン追加で小銭を取られるのもなんだかなあという気持ちです。
何はともあれ、まだ今後の nasne についてのサポート情報が出ていないので、引き続き注視していきたいと思います。