小樽観光でやはり食さずにいられないのが「海鮮」。小樽に数あるお寿司屋さんのなかでも老舗の「おたる政寿司 本店」さんに行ってきました。お寿司ももちろん、名物「いかそうめん」がとてもおいしかった!
おたる政寿司 本店とは
お店について
「おたる政寿司」は創業から80年を超える小樽の中でも老舗のお寿司屋さんです。
職人さんによれば『小樽でここまで長くやっていらっしゃるお寿司屋さんは、お隣にある「おたる 大和家」さんくらいでは?』とのこと。
老舗といっても店内は改装され非常にきれいです。後ほど触れますが、予算的にも比較的リーズナブルな価格帯で提供されているので家族連れでも来やすいお店かと思います。
定休日は水曜日と元旦。観光で訪れる際はご注意ください。営業時間等については公式サイトの情報をご確認ください。
http://www.masazushi.co.jp/index.html
アクセス
小樽の有名寿司店がひしめき合う「小樽寿司屋通り」に面しています。小樽駅から徒歩10分ほど歩きますので、ご高齢の方を伴っての観光の場合は、駅前のタクシーを利用するとよさそうです。
余談ですが、東京にも新宿と銀座に支店があるそうです。
銀座はポーラビルの中にあり、個人的には「そういえばあのビルにお寿司屋さんがあったなあ…ああ、ここだったんだ」という感じで職人さんとの話のタネになりました。
予算
比較的リーズナブルな価格帯で提供されています。
以下の内容で注文して一人あたり5000円~6000円くらいで間に合うかと思います。
- メインのお寿司セット(3500円~)
- 追加でお寿司1~2貫
- サイドメニュー1品
- 日本酒1杯(500円~)
昼の営業もされていますが、ランチタイム限定のコース・セットはなく昼夜同じメニューで提供されているようです。
クーポン
北海道での店舗限定のクーポンですが、握り一貫サービスのクーポンが公式サイト上にあります。そのほか、小樽駅の案内所でもらえるクーポン一覧には「ワンドリンク無料」となるクーポンも発見。
今回は握り一貫サービスのクーポンを利用させていただきました。日によってサービスでつけられるネタは異なるようですが、当日は鯛と帆立のどちらかを選ぶかたちとなりました。
http://www.masazushi.co.jp/coupon.html
というわけで行ってみた
いざ入店
店の前についたのはいい。
しかし、入口がこんな感じなので自分には格式が少し高いかな…と思っていたら…。
こんな顔はめ看板が登場。なんだかホッとしました。
それでも入店すると支配人らしき方がいらっしゃって気が引き締まります。
混雑の程度
入口の宴会札がぎっしり入っているのを見て、若干あきらめムード。
雨降りの金曜日の夜7時頃ということで「予約なしの飛び入り…雨だし大丈夫かな?」と複雑な思いが入り混じります。
「予約なし1名ですが…」と尋ねてみたところ…。
なんと数分でカウンター席の用意をしていただけました!雨の日だったこともあり、やはりいつもよりお客さんは少なかった模様。
お食事について
食べるべきメニュー「名物元祖いかそうめん」
「名物元祖いかそうめん」は政寿司に来たらぜひ食べてほしいメニューのうちのひとつです。政寿司にきたらまずこのメニューを注文してみてください。
職人さんの一番のおすすめ。付け合わせにウニまでついて価格は1300円。
政寿司のいかそうめんの特徴は、お蕎麦の「そばつゆ」のような汁につけて食べるところ。これにウズラの黄身を溶いて食べます。
イカ単体で食べても、滑らかな触感でとても甘くおいしいのですが、ここにたまり醤油ではなく出汁が香るこの汁につけて食べることで、さらに複雑な味わいを楽しめます。
ここに雲丹を載せて食べると…イカとウニ、お酒のマリアージュをどうしても体験したくなり日本酒に手が出てしまいます。実際、私も最初はお酒を飲むつもりはありませんでしたが、このいかそうめんを一口食べて考え込み、ふた口目には仲居さんを呼んでしまいました。
地酒「純米吟醸 今金」
日本酒についても、北海道や小樽近郊の地酒を取り揃えています。
今回は俱知安の二世古酒造「純米吟醸 今金」をいただきました。今金で「いまかね」と読みます。由来は北海道の地名なのだそう。原料は北海道酒造好適米「彗星」100%ということで、北海道観光で飲むのにふさわしいお酒ですね。
飲み口は淡麗で少々甘口といった感じでしょうか。フルーツのような香りがしますが、それほど癖がないので日本酒があまり得意ではない人でも飲みやすく感じました。お酒とお食事が邪魔しあわないので、食べながら飲むのにちょうどよいお酒です。
お寿司のセット「政寿司 ー 極(きわみ)」
単品で注文することも可能ですが、お寿司のセットを注文しました。
セット内容としては、手前から、小皿にウニ。二列目に大トロ、平目、ときしらず、鰊。三列目にいくら、大ぼたんえびの七貫です。一番後ろの白身は個別で注文した鯛です。
セットとしては、このうちの大トロとえびといくら、うにの四貫が定番で、残りの三貫は季節ものが日替わりで出されるそうです。
全体的にクオリティも高く小食の私には量もちょうどよかったです。普通の人にはちょっと物足りない量かもしれませんね。
他のセットとしては、同じ値段で若干ネタのグレードを下げつつ貫数を増やした「華(はな)」、いかそうめんとサラダ、椀物もついた「政寿司セット」などもあります。もう1グレード高いものは5000円程度。好みに合わせて選べるところは良いと思います。
個人的にはこのネタの中では「ときしらず」と「にしん」がお気に入り。
特に「にしん」は東京ではなかなか生で食べる機会のない魚です。私自身、初めて生でいただきました。鯵に似た触感と脂の乗り方ですが、鯵と比べるとさっぱりしています。今回いただいたものは臭みがなく小骨もしっかり取り除いてありましたのでおいしくいただけました。最後の〆にもう一貫食べてしまうほど…。
残念ながらどちらも旬ものでいつも食べられるわけではないようですが、もし食べられる機会があれば食べてみることをおすすめします。
岩海苔のお吸い物
食後に職人さんと楽しくお話させていただいていたら、仲居さんがサービスで持ってきてくれました。こういう気づかいがありがたい。適度に塩気の利いた汁と温かさが日本酒を飲んだ後にはしみますよね。
店の雰囲気や店員さんの対応
店の雰囲気。これはとてもよかったと思います。ほかのお客さんが少なかったこともあったのかもしれませんが、騒々しいわけでも無く静かすぎず和やかな雰囲気でした。
当日、カウンターには5~6名食事をされており、40台~50台のご夫婦や韓国からの外国人観光客など、様々な客層の方がありましたが、比較的上品な感じの方が多かったように思います。
仲居さんや職人さんのホスピタリティも高く、外国人観光客の方から店内の写真や職人さんの写真撮影にも丁寧かつ気軽に応じられていました。そういう光景のなかにあるとみているほうもちょっとほっこりした気分になってきますよね。
食事後に職人さんとお話させていただきましたが、トークも巧みで食に関することだけでなく、北海道全域や小樽の情報もいろいろと教えていただきました。カウンターでの食事はこういう楽しみもありますよね。
さいごに
小樽にはたくさんのお寿司屋さんがあります。職人さんもおっしゃっていましたが、軒数が多い分個性も様々です。
「おたる 政寿司」さんは、そんな中で老舗でありながら肩肘を張らず自然体でお寿司をいただけるお店でした。今度は東京の支店にも伺ってみたいと思います。