nasne(ナスネ)で録りためたドラマやアニメをPC TV Plusを使ってBDに保存(ダビング)する運用方法の一例を紹介します。この方法はDBへの保存はPCで完結し、BDレコーダーは使いません。
この運用の前提について
今回紹介する運用は、以下のような前提を設けています。
- PCのみでBD保存を行う
- ドラマやアニメを1クール(3カ月)毎にBDに保存する
- 録画は画質は求めず、ストレージ容量の使用を抑える(3倍モードを使用する)
- CMカット等の編集は行わず、そのままBDに保存する(PC TV Plusは録画編集できないため)
PC TV Plus(VAIO TV with nasne)とは
今回の運用ではBDレコーダー等の機器は用いず、PCでBD保存を行います。そのためにはPCでnasne(ナスネ)の動画を保存するためのソフトウェアである PC TV Plus が必要です。
PC TV Plus とは、PCからテレビ機器に接続し、録画番組の視聴やBD/DVDへの保存をすることができるソフトウェアです。ソニーが提供しており、主にソニー製のテレビ機器に接続して使用することができます。
当初は VAIO 限定のソフトウェアで VAIO TV with nasne の名称で提供されていましたが、後に PC TV with nasne として一般のPC向けでも提供されるようになり、現在は PC TV Plus という名称で提供されています。
https://www.sony.jp/playstation/store/products/nasne/pcnasne-dl/index.html
2019年4月時点で対応している機器は以下の通りです。
本製品を使用するためには、対応するテレビ機器が別途必要です
- nasne™
- ソニー製ブルーレイディスクレコーダー
- ブラビア
- ひかりTV対応チューナー
- スカパー!プレミアムサービスチューナー
- REC-ON
- テレキング
- RECBOX
- その他ホームサーバー機能を搭載したブルーレイディスクレコーダーやテレビなど
PC TV Plus は有料のソフトウェアです。14日間は体験版として無料で利用できるので、自分のネットワーク上で使用できるか事前に確認することができます。2019年4月時点の価格は以下の通りです。
- 体験版(14日間):無料
- 製品版(PC1台用):3,000円+税
- 製品版(PC2台用):5,400円+税
- 製品版(PC3台用):7,200円+税
用意するもの
今回はこの PC TV Plus を使ってBDレコーダーを使わずにBDに録画番組を保存します。用意するものは以下の通りです。
nasne(ナスネ)
テレビの録画番組を保存するための機器です。nasneが2台以上の構成であっても構いません。
Windows PC
PC TV Plus はWindows PC上で動作します。動作要件については公式サイトの以下のページ下部に記載されている「アプリの動作環境」の項目を確認してください。
https://www.sony.jp/playstation/store/products/nasne/pcnasne-dl/index.html
PC TV Plus(VAIO TV with nasne)
上述の通りですので、ここでは説明を割愛します。ソフトウェアを入手し、Windows PCに導入してください。
BDドライブ
PCに書き込み可能なBDドライブが付属しない場合は外付けのドライブを用意してください。PC TV Plus の公式サイトには、動作確認済み機器の一覧が記載されていますので、迷った際には公式に動作確認済みの機器(ロジテック社製のドライブ)を使用することをおすすめします。
動作確認済み機器の一覧には記載されていませんが、私のおすすめはPioneer製のBDドライブです。PC TV Plus を使用して年間150枚以上ディスク書き込みしていますが、ドライブが原因の焼きミスは100枚あたり1枚程度という実績でした。
BD-Rディスク
録画番組の保存先のBD-Rディスクも必要です。メーカーはビクター(Victor)、マクセル(maxell)、ソニー(Sony)と、三菱ケミカルメディアと試したところ、三菱ケミカルメディアのBD-Rが焼きミスが少なく、価格や供給も安定しているので私は愛用しています。
Amazonでの価格は2019年4月時点で1枚あたりの価格が50円をきっており、家電量販店のまとめ買いセール等でさらに安く購入できることもあります。意外と50枚あっても録画番組が多いとすぐなくなってしまいますから、なるべく予備分も購入しておくことをおすすめします。
ディスク格納用ケース
上述のようなスピンドルタイプのケースに入っているBD-Rを使用する場合は、ディスク格納用のケースが必要です。
枚数が少なければ個別に保存できるプラスチックや不織布タイプのケースでも問題ありませんが、枚数が多くなる場合は以下のようなブックタイプのケースをおすすめします。
運用
テレビの放映の1クールに対しての全体的なフローとしては、以下1~4になります。毎クールで以下のフローをまわすことになります。
- ドラマ・アニメが始まる4月・7月・10月・1月に録画予約
- 定期的に予約エラーを確認
- 必要に応じてBD保存対象を選別し不要な予約・録画を削除
- 1クールの終わりの3月・6月・9月・12月にBD保存を行いnasneから削除
録画予約
ドラマ・アニメが始まる4月・7月・10月・1月に新番組情報をもとに録画予約を行います。
この際、torne mobile の番組検索機能を使用して録画予約を行うと便利です。例えば、以下のような検索条件を設定すると、新番組の情報を一覧化することができます。
- 「検索条件指定」でジャンルを指定する
- 文字列検索で「新(□囲いの文字)」を選択する
予約する際は「DRモード」「3倍モード」を選択することができますが、この運用の前提として画質にはこだわらないこととしているため、「3倍モード」を選択することをおすすめします。その理由は以下の通りです。
3倍モードでストレージ消費を抑える
3倍モードで録画した場合、データが圧縮されおよそ1/2程度まで小さくなります。圧縮の影響でブロックノイズが発生したり映像の画質が低下することがありますが、その分ストレージの消費が抑えられるというメリットが得られます。複数の番組を継続的に録画する点でこのメリットの重要性は大きいです。
https://manuals.playstation.net/document/jp/nasne/recorder/rectime.html
3倍モードで視聴時のネットワーク負荷を抑える
基本的にnasneで録画した番組は、PS3/PS4/PS Vitaなどの torne、またはスマホ・タブレットのtorne mobile や PC TV Plus で視聴することになります。
有線での接続であればDRモードでの視聴は問題ないレベルですが、無線で電波強度が弱く速度が出ない場所で視聴している場合は、スムースに再生されない可能性があり注意が必要です。また、スマホ・タブレットのtorne mobile 等でLAN外から接続して視聴する際にも、ネットワーク負荷の低い3倍モードのほうが有利です。
3倍モードでBDに収まりやすくなる
3倍モードで保存すると、30分のアニメ番組で1クール15GB~25GB程度となります。BD-Rの記憶容量は1層でおよそ25GBなので、ちょうど1番組の1クール分+αが1枚のBD-Rに保存できます。
定期的な予約エラー確認
週に一回程度、torne や torne mobile で予約エラーがないか確認しましょう。
これは、特番やスポーツ等の延長により録画時間が大幅に変更されて予約エラーとなることがあるためです。時間がずれることにより予約している複数の番組の録画時間帯が重複してしまい、途中から録画されなくなってしまう録画エラーが発生することもあります。重複の際は事前に予約エラーとして検出されるので、こちらも確認しておきましょう。
毎週欠かさず録画を確認する場合は、視聴のタイミングで上述の予約エラーを確認できますが、録画を撮りためて一気に鑑賞する場合は定期的な確認をおすすめします。
BD保存対象の選別
1クールで複数の番組を録画していると、やはり気になるのがストレージの容量です。ストレージの逼迫を避けるために、必要に応じてイマイチだと感じる番組は予約から外してしまいましょう(いわゆる「切り」)。
ただし、最終回付近で大化けする番組もありますので、視聴だけしてBD保存せず削除するという選択も。ストレージ容量の状態やご自身の好みで選別してください。
BDへの保存
1クールの終わりの3月・6月・9月・12月に、最終回を迎えた番組からBD保存を行いnasneから削除します。
上述の通り、3倍モードで録画していると、30~45分のドラマやアニメ番組で1クール15GB~25GB程度の保存容量となっているはずですので、ほとんどのケースで1番組がBD-R1枚に収まります。ドラマに関しては1時間ドラマでぎりぎり1枚に収まるケースが多いですが、若干足がでる場合もありますので、その際は保存先を調整します。
1番組が25GBに近い場合
1番組が25GBに近い場合は、そのまま1番組を1枚のBDに保存します。数GB余っている場合は、お好みでその他特番等録画したものを保存したり、1枚では容量が足りなかったドラマを保存してもよいかもしれません。
1番組が15GB~20GBの場合
1番組が15GB~20GBの場合は、1番組を1枚のBDに保存するとディスクに5GB~10GBの余りができます。1枚1番組とするか、その他の番組も保存するかは好みですが、私は以下のように保存しています。
- 15GB~20GBの番組を1クール分+5GB程度の番組(5分番組等)1クール分
- 15GB~20GBの番組を1クール分+5GB~10GB程度の映画や特番1本
- 15GB~20GBの番組を1クール分+15GB~20GBの番組を1/2クール分
1~2は記載の通り、5分番組などの容量の小さいものとの組み合わせです。3は調節が必要ですが、例えばアニメであれば大体1クールで12話~13話分なので6話程度に分割、ドラマであれば10話~11話構成が多いので5話程度に分割して保存します。
最後に
ディスク装置を持っていないことから、「録画しても見て消すだけ」というイメージが強いnasne(ナスネ)ですが、PCとPC TV Plusを使用して録りためた番組をBDに残すこともできます。この運用フローでいろいろと改善しながら4年ほど続けていますが、大事なポイントとしては
- 3倍モードで保存すること
- 定期的に予約エラーを確認すること
- BD-Rは予備を購入しておくこと
の3点かなと思っています。特に予約エラーは定期的に確認しておくことをおすすめします。