今回、土日を利用した短期なものではありますが『開発合宿』を企画して実行してみた結果をレポートしてみたいと思います!
開発合宿をやってみたいけれど、どんな感じになるんだろう?と思われている方への後押しになればと思います。
なぜ開発合宿を企画しようと思ったのか?
この企画『もくもく開発合宿』は、2018年10月に開催された技術書オンリーイベント『技術書典5』に来場してみたことが発端で企画しはじめたものです。
技術書典5に参加されていた『もくもく温泉』さんの配布本を偶然発見しサンプルを読ませていただいたのですが、なかなか楽しそうなことをしている人たちがいるものだなあ…、と思いました。そこからconnpassで募集している『もくもく温泉』のサイトを拝見し、諸々あって今に至ります。
もともと、私個人としては「技術力アップを狙って開発合宿や泊りがけで行うハッカソン等に参加してみたいなあ…」という気持ちはあったのですが、自分のやりたいテーマに合致するものがなかったり、よさそうなものがあってもスケジュールが合わず、なかなか参加することがかないませんでした。
かといって、自らハッカソンを企画するというのも、テーマやコンセプト、アウトプットの設定を一から考えていくのがちょっと大変そうです。人集めに関しても集まらなかったらどうしよう…という不安がありました。
そんな中で、『もくもく会』という比較的緩い枠組みでの勉強会を、開発合宿としてやっている人たちがいるというのは、合宿を企画するモチベーションとして大きな後押しとなりました。『もくもく会』であれば、自分たちで好きなことに集中しつつ、旅行もかねてリフレッシュもできるし、テーマを絞りすぎて人が集まりにくいということも避けられるのではないか。企画もそれほど労力はないのでは。と考えたのです。
試しに、会社関係の友人や後輩の何人かに、「こういう『もくもく会』的な開発合宿をやってみたいのだが、どうだろうか?」というふうに問うてみました。すると、二つ返事で「やってみよう」「参加してみたい」という回答をそれなりに得られたので、これは意外と需要があるのでは?と思い、実際に企画してみることにしました。
『もくもく会』とは
『もくもく会』とは、みんなで集まって「もくもく」と作業をする会のことです。一般的に作業をする内容は自由で、何かのテーマを設けることもあります。
『もくもく温泉』さんによれば、こちらのサイトが発祥とのことです。
もくもく会とはカフェとか誰かの家とかに集まって、それぞれ各自もくもくと勉強したり作業したり本を読んだりするだけの会のことです。
プログラマがやるハッカソンとちょっと似てるんですが、ハッカソンよりもっとゆるい感じで、もくもく作業するだけで別に成果物を発表したりしなくてもいい、という適当な雰囲気の集まりに何か名前があるといいなと思って作ってみました。
「家ではどうも仕事や勉強に集中できない、さぼってしまいがち」とか「一人だとついつい遊んでしまうけど他の人が作業してるのを見ると自分もやんなきゃなんないような気がする」とか「一人でタスクに向かう気の重さを人と集まることで紛らわせたい」とかそういう人にお薦めです。
ジャンルもプログラミングなどに限らず、ずっと本とか読んでてもいいし、絵を描いたり編み物したりするのでもいいと思います。「やってみたい」って思った方はどなたでも気軽に仲間内などで開催してみてください。
『もくもく開発合宿』とは
『もくもく会』を泊りがけで研修合宿としてやってみようという試みです。上記の通り、『もくもく温泉』に触発されています。
今回お世話になった旅館『山喜旅館』
今回、伊東温泉の『山喜旅館』さんにお世話になりました。
選んだ理由
本家『もくもく温泉』でも複数回利用されている実績があったことも理由のひとつではありますが、こちらの旅館、開発合宿の界隈ではとても有名な宿泊施設なのです。
SNSでも「とりあえず初めて開発合宿や研修をやるのであれば、山喜旅館一択」といわれるくらい実績と安定感がある旅館であれば、使わない手はありません。
実際に利用してみてどうだったか
では、なぜそこまでこちらの旅館がおすすめされているのでしょうか。
おすすめできるポイント
今回利用させていただいて私が感じたところを列挙すると以下の通りです。赤マーカーを引いている部分が個人的には特によかったと思っているポイントです。
- 全館で利用可能なWi-Fi&光回線完備。これはマスト。
- 会議室(有料)が利用可能。もちろん部屋でも合宿可能。
- 早着(チェックインの15時前)での部屋利用等にも対応していただける。
- 電源タップ(無料)、プロジェクター(有料)、ディスプレイ(有料)が用意されている。
- WEBフォーム上で見積依頼や合宿についての相談が可能。
- 合宿に対して細々とした部分でも柔軟に対応してくれる。
- 温泉には24時間入浴可能。
- 徒歩圏内にスーパー(22時まで利用可)・コンビニがある。
- 夕食後にお酒等持ち込みで宴会ができる。
- 各自で布団敷き等やる必要はあるが、逆にいえば必要以上に宿の人が干渉しない。
- 何よりリーズナブル!
人によっては気になるかもしれないポイント
老舗旅館ゆえに建物として施設が古い部分があります。いろいろと好みが分かれる部分もあるかと思いますが、そういった部分へのフォローはしっかり対応されているように感じました。
たとえば…。
- トイレが部屋にはなく共同利用かつ一部は和式なのですが、一階にはリフォームされた洋式のトイレが設置されている。(男性用のトイレは2つ設置されていた。)
- お風呂については、古めの宿にありがちなシャワー水流の弱さもなく、ちゃんとした設備となっている。
アクセス
JR伊東駅から徒歩10分程度のところにあり、それほど迷うこともありませんでした。駐車場も完備されているので、電車だけでなく車でのアクセスも悪くないのではないでしょうか。目印は「ステーキガスト」です!
周辺の施設
「お酒の持ち込みが可能」とくれば、やはり気になるのは周辺にコンビニやスーパーなどの買い出しができる施設があるか?というところだと思います。
駅周辺から宿までの道中のコンビニ
伊東駅の改札を出てすぐのところにニューデイズがあるのと、駅から旅館までの道に何件かセブンイレブンがありました。駅前のお土産屋さんでも、ドリンクやちょっとした地モノのおつまみ(わさび漬けや魚系の乾きもの、かまぼこ等の練り物系)等が購入可能です。
最寄りのコンビニ・スーパー等
国道135号沿いの渚橋をこえたあたりに、「フードストアアオキ伊東店」と「ローソン」があります。フードストアアオキは私たち一行も利用しましたが、新しくて品ぞろえもなかなか良かったです。
周辺の飲食店
近くにレストランや飲み屋があり、前述の通り徒歩30秒の場所に「ステーキガスト」があるので、素泊まりプランでも特に食事には困らないでしょう。もくもく作業を優先するなら、お弁当を注文したりすることも相談可能だそうです。
研修実績
今回は1泊2日での利用となりました。
参加人数
5名で開催しました。
もともと6名での予定で急遽病欠者がでたのですが、WEBフォーム上で相談させていただき、予約変更もWEB上で完結しました。スムースに対応いただけ助かりました。
利用したプラン
今回は、『研修・ゼミプラン』を利用しました。
上記のような内容のサービスとなるのに加えて、以下のような特徴があるプランでした。
- 「1人あたり1泊2食付きで 6,480円 」というリーズナブルなプラン
- 布団敷きはセルフサービス
- 浴衣、バスタオル、タオル、歯ブラシなどのアメニティはついていない。
(ただし、お金を払えば利用したい人だけ利用可能。)
正直、これだけいろいろと対応してもらってこのお値段というのはなかなか気が引けますね。
今回は会議室は利用せず、部屋での開発合宿を選択しました。通常15時チェックインなのですが、13時のチェックインとさせてもらい、早着室料として1時間当たり1080円(税込)で対応いただきました。5名であれば部屋の広さとしては十分な印象でした。
食事
上記のプランを利用しましたので、1日目の夕食と2日目の朝食が提供されました。
1日目 夕食
写真には写っていませんが、お櫃にご飯がいっぱいの状態でセッティングされていました…!ご飯のおかわりも係りの方がこまめに確認しに来ました。ゼミや部活の合宿にも使われるそうなので、このあたりの配慮もあるのかもしれませんね。鍋は魚と肉が入っていました。
ちなみに私は蕎麦アレルギーなので、その点についても考慮いただいたのですが、当日の料理にはもともと蕎麦はなかった模様。
2日目 朝食
朝食でもお櫃にご飯がいっぱいの状態でセッティングされていました…!鍋は湯豆腐でした。参加者はほとんどが朝食を食べないタイプの人でしたが、ちゃんと全員完食していましたよ。ちょうどよい量だったように思います。
日程
1日目
- 11:30:参加者が伊東駅に集まり始める。
- 12:00:早着メンバで「楽味家まるげん」にて昼食。
- 13:00:山喜旅館に到着、チェックイン。
- 13:15:説明等を受けて客室にてもくもく開発合宿スタート。
- 16:00:休憩。フードストアアオキへ全員で買い出し。
- 17:00:各自作業再開。
- 19:00:作業中断。1階の食事処で夕食。
- 20:00:各自作業再開。各自作業の続きやゲーム、入浴などでリラックス。
- 00:00:このあたりから各々布団を敷き始め、寝る人が出始める。
- 翌2:00:消灯。
2日目
- 07:00:起床。
- 08:00:1階の食事処にて朝食。
- 09:00:撤収作業開始。参加者間で清算し、旅館側に支払い。
- 10:00:チェックアウト。
- 10:20:商店街の「スイートハウスわかば」でスイーツタイム。
- 11:10:駅前でお土産物を購入。
- 11:30:JR伊東線で熱海行きに乗車、その後解散。
会費
支出額
5人の合計で \41,476 となりました。内訳は以下の通り。
- 『研修・ゼミプラン』宿泊2食付き:\6,480×5人…\32,400
- 早着料金:\1,080×2時間(1日目13:00~15:00)…\2,160
- プロジェクタ半日利用:\4,320×1台…\4,320
- 買い出し(お菓子・ドリンク等):\1,846
会費額
各参加者の会費額は \41,476 / 5 で、一人当たり \8300 とさせてもらいました。
参考までに東京駅から伊東駅まではJR線で \2,268 、グリーン車利用で \780 。運賃は往復で\6,096となりますので、会費と合わせても \14,396。なんと、\15,000 を下回っています…。
1日目・2日目の昼食費を除いているのと、お酒はほとんど飲まなかったことを考えると、一般的には2万円前後がターゲットとなりそうですね。
まとめ
今回は初めて開発合宿を企画してみましたが、なかなか有意義な体験ができたと思っています。参加者にも概ね好評だったように思います。ただ、お試しということもあり「1泊2日で若干作業時間が短かったかな…」という意見もありました。味をしめたので近いうちに2泊3日で再度企画してみようかな、と考えています。
今回のレポートはいかがだったでしょうか?開発合宿をやってみたい方への後押しになれば幸いです。