「HUAWEI WATCH GT2」と「HUAWEI WATCH GT(無印)」のスペック、機能についての比較を行いました。GTを持っている人がGT2に買い替えるべきかどうかの判断ポイントを考察します。
HUAWEI WATCH GTとは
「HUAWEI WATCH GT」はHUAWEI社が2018年11月に発売を開始したスマートウォッチです。
製品の機能等についての詳細は以下の「購入時レビュー」および「使用後レビュー」をご覧ください。
HUAWEI WATCH GT2とは
HUAWEI WATCH GT2は、HUAWEI WATCH GTの後継機種です。
GT2は、無印GTでは再生できなかった音楽の再生ができるようになり、軽量化とともにバッテリーの持ちについても改善されています。以降で詳しく見ていくことにしましょう。
「HUAWEI WATCH GT2」と「HUAWEI WATCH GT(無印)」のスペック比較表
スペック表を比較してみました。
サイズの比較
まずはわかりやすいところから。サイズや重さを比較してみましょう。
GT (46 mm) | GT (42 mm) | GT 2 (46 mm) | GT 2 (42 mm) | |
サイズ | 46.5 (W) x 54.2 (H) x 10.6 (D) mm | 42.8 (W) x 48.8 (H) x 10.5 (D) mm | 45.9 (W) x 45.9 (H) x 10.7 (D) mm | 41.8 (W) x 41.8 (H) x 9.4 (D) mm |
ベルト幅 | 22 mm | |||
手首周 | 14~ 21 cm | 13 ~ 19 cm | 14~21 cm | 13~20 cm(スポーツモデル) 13~19 cm(クラシック/エレガントモデル) |
重さ | 約46 g | 約36.2 g | 約41 g | 約29 g |
GT2はGTに比べて若干サイズが小さくなりました。サイズが小さくなった分だけ軽量化されており、5~7g軽くなっています。
なお、ベルト等の仕様については変更はありませんので、装着感については大きく変わることはなさそうです。
見た目に関係する外装の比較
次に外装についての比較です。
GT (46 mm) | GT (42 mm) | GT 2 (46 mm) | GT 2 (42 mm) | |
ケース色 | ブラックステンレス、ステンレス、 チタングレーステンレス | ブラックステンレス、ステンレス、 ローズゴールドステンレス | ||
ケース素材 | 金属 + プラスチック+セラミック | 金属+プラスチック | ||
ベルト | ダークグリーン・フルオロエラストマーストラップ、 オレンジ・フルオロエラストマーストラップ、 ブラック・シリコンストラップ、 ブラウン・レザーシリコンストラップ | ホワイトフルオロエラストマーストラップ、 ブラック・フルオロエラストマーストラップ | チタングレーメタルストラップ、 ブラウンレザーストラップ、 ブラックフルオロエラストマーストラップ | カーキレザーストラップ、 ローズゴールドミラネーゼストラップ、 ブラックフルオロエラストマーストラップ |
カラー | ブラック ダークグリーン オレンジ ブラウン | ブラック ホワイト | チタングレー ペブルブラウン マットブラック | グラベルベージュ リファインゴールド ナイトブラック |
選ぶことのできるスタイルはだいぶ変更が加わっているようです。見た目については人それぞれの好みによるところですが、全体的に落ち着いた配色になった印象を持ちました。
46mm版は男性を意識した色展開でグレー・ブラック・ブラウンの3種類。42mm版は2色展開から選択肢が3色になりました。特にグラベルベージュ、リファインゴールドは女性に人気のありそうな色だと感じました。
機能にかかわる外装の比較
次はボタン等の外装について比較してみます。
GT (46 mm) | GT (42 mm) | GT 2 (46 mm) | GT 2 (42 mm) | |
ボタン | 電源ボタン、機能ボタン | |||
充電端子 | マグネチック充電ピン | 磁気充電ポート | ||
耐水・防塵 | 5ATM |
このあたりは変わらずといったところですね。充電端子がGTのスペック上では「マグネチック充電ピン」、GT2では「磁気充電ポート」という表記になっていますが、充電用のドックを見る限りでは同じもののように見えます。
ハードウェアスペックの比較
続いて、ハードウェアスペックの比較です。
GT (46 mm) | GT (42 mm) | GT 2 (46 mm) | GT 2 (42 mm) | |
ディスプレイ | 1.39インチ AMOLED(有機EL) 454 x 454ピクセル 326ppi | 1.2インチ AMOLED(有機EL) 390 x 390ピクセル 326ppi | 1.39インチ AMOLED(有機EL) 454 × 454ピクセル 326 ppi | 1.2インチ AMOLED(有機EL) 390 x 390ピクセル 326ppi |
Bluetooth | Bluetooth® 4.2 BLE | Bluetooth® 5.0 BLE / BR / EDR | ||
センサー | 加速度センサー ジャイロセンサー 磁気センサー 光学式心拍センサー 環境光センサー 気圧センサー | 加速度センサー ジャイロセンサー 磁気センサー 光学式心拍センサー 環境光センサー 気圧センサー 装着検知センサー | ||
測位方式 | GPS / GLONASS / Galileo | GPS / GLONASS | ||
付属品 | 充電クレードル 充電ケーブルx 1 クイックスタートガイド 保証とアフターサービスのご案内 | 充電クレードルx 1 充電ケーブルx 1 クイックスタートガイド 保証とアフターサービスのご案内 ベルト交換用ドライバーx 1(HUAWEI WATCH GT 2 46 mmシリーズ/エリートモデルのみ) | ||
スピーカー | なし | あり | なし | |
音楽再生 | なし | あり | あり |
こちらは大きな違いがみられます。
まず、Bluetoothのバージョンが4.2から5.0にあがりました。これにより「通信範囲」と「転送速度」が向上しています。GT2では、省電力の「BLE」だけでなく「EDR」にも対応しているので、容量の大きいデータを通信する際、最大通信速度の向上が期待できますね。
次に、大きな進化が「音楽再生」と「スピーカー」です。AppleWatchなどと同様に単独で音楽を再生する機能が付きました!しかも46mm版に至ってはスピーカーがついています。スピーカーがついていない42mm版については、イヤホンとペアリングして音楽を聴くことになります。「最大500曲保存可能」とのことですが、スペック上は保存容量が記載されていません。あくまで想像ですが、1曲2MBと仮定しタ場合1GB程度の容量と考えられます。
センサー類においては装着検知センサーという新しいセンサーがスペック上で登場しています。どのような機能に利用されるものなのかは不明ですが、今までの機能に関してはその他のセンサーと連動して精度向上に寄与するものと想像できます。
バッテリーの比較
バッテリーについてみてみましょう。
GT (46 mm) | GT (42 mm) | GT 2 (46 mm) | GT 2 (42 mm) | |
バッテリー(通常使用) | 約14日間 | 約7日間 | 約14日間 | 約7日間 |
バッテリー(最大稼働日数) | 約30日 | 約14日 | - | - |
バッテリー(GPS連続使用) | 約22時間 | 約10時間 | 約30時間 | 約15時間 |
充電器の電圧と電流の要件 | 5V 0.5A / 1A / 1.5A / 2A |
GTからGT2への変更点としては、GPS連続使用時のバッテリー持ちがよくなりました。これは非常にありがたいと思います。ワークアウト時のバッテリー寿命が長くなるのは素直に歓迎したいです。CPUやバッテリー容量諸々の変更もあるかと思いますが、測位方式においてGT2で欧州のGalileoが削除された点が影響している可能性もありますね。
モニタリング関連装置の比較
続いて、モニタリング関連についてです。
GT (46 mm) | GT (42 mm) | GT 2 (46 mm) | GT 2 (42 mm) | |
睡眠 | HUAWEI TruSleep™2.0 | |||
心拍 | HUAWEI TruSeen 3.0™ | HUAWEI TruSeen™3.5 | ||
ストレス | なし | HUAWEI TruRelax™ | ||
水中心拍計測 | 不可 | 可 |
モニタリング関連については大きく変更が加わりました。
まず、心拍モニタリングについては、TruSeenのバージョンが上がりました。これによってさらに詳細な心拍モニタリングが可能になりました。
特に大きく変わったのが水中心拍計測が可能になった点。今まではスイミングの際に心拍は計ることができませんでしたが、これによりガーミンのスイミング用スマートウォッチのように、スイミングのワークアウトでも心拍を図ることができるようになりました。
次にストレスモニタリングのTruRelaxが搭載されたことです。いつの間にか、HUAWEI Health(ヘルスケアアプリ)にも「ストレス」の項目がでていたのでGTユーザはお気づきの方が多いかもしれません。ストレス状態を時系列でグラフで表示し、ストレスの負荷が高い時間帯を教えてくれます。
ロギング機能の比較
最後に記録できるワークアウトの種類についてです。
GT (46 mm) | GT (42 mm) | GT 2 (46 mm) | GT 2 (42 mm) | |
ワークアウトの種類 | ランニング ランニングマシーン ウォーキング ハイキング クロスカントリー サイクリング エアロバイク プール オープンウォーター トライアスロン 自由訓練 | ランニング ランニングマシーン ウォーキング ウォーキングマシーン クライミング ハイキング トレイルラン サイクリング エアロバイク プール オープンウォーター トライアスロン エリプティカル ローイング 自由訓練 |
ワークアウトの種類がGT2になってかなり増えました。このなかでは室内のワークアウトについてのロギング機能が充実しています。
特に、エリプティカルやローイングなどの装置でのトレーニングに対応している点が特徴的ですね。ウォーキングについてもランニングマシンと同じようにウォーキングマシンという項目が追加されています。こうした機能追加により、詳細な記録ができるようになるのは、ジム通いの方にはかなりうれしい機能追加なのではないでしょうか。
GTを持っている人がGT2に買い替えるべきかどうか?
様々なアップデートがありましたが、実際GTを持っている人はGT2に買い替えるべきでしょうか。
個人的な感触としては以下に当てはまる人は買い替えを検討してもよいと思います。
- ワークアウト中に音楽プレイヤー機能を時計に持たせたい人
- スイミング主体で使っていて水中心拍も計測したい人
- これまで自由訓練でしか記録できなかったマシントレーニングをしている人
ユーザが望んでいた水中心拍計測や音楽プレイヤー機能はかなり優位な点です。今までできなかったことができるようになっているので、買い替えはアリかと思います。
一方で、GT自体がある程度の機能を有していること、無印GT自体が発売してまだ1年程度ということもあり、逆に言えば上記のような動機を強く持っていない場合は買い替えの必要はないようにも感じました。
例えば、AppleWatchのように決済系やネットワーク接続するような機能が搭載されればまた違った見方ができるかもしれません。GT系は長寿命とロギングに特化したモデルなので、ユーザが望む方向性としてもちょっと違う気もしますので、この仮定自体がナンセンスではあるのですが、それくらいの大きな変化がなければ買い替えは不要なのかな、というのが私個人としての感想です。
まとめ
「HUAWEI WATCH GT2」と「HUAWEI WATCH GT(無印)」のスペック、機能についての比較を行いました。GTを持っている人がGT2に買い替えるべきかどうかの判断ポイントを考察しました。
機能やバッテリー性能が向上しているので、これから購入を考えている人にはGT2をおすすめします。
GTからGT2の買い替えについては、GTになかった水中心拍計測や音楽プレイヤー機能、ワークアウトの種類に関して強い動機をお持ちの場合は買い替えをおすすめしたいです。
ともあれ、GTもGT2も非常にコストパフォーマンスが高い製品だと思います。運動や日々の活動の記録を取りたいけれども、AppleWatchはちょっと価格帯的に手が出ないという方、スマホはAndroid端末を使用しているという方にはおすすめです。